文部科学省 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
新学術領域研究(研究領域提案型) 2019年度~2023年度

出ユーラシアの統合的人類史学 - 文明創出メカニズムの解明 -

研究概要

B02班:認知科学・脳神経科学による認知的ニッチ構築メカニズムの解明

班構成

研究代表者
入來 篤史(理化学研究所生命機能科学研究センター・チームリーダー)
研究分担者
川畑 秀明(慶應義塾大学文学部・教授)
齋木 潤(京都大学人間・環境学研究科・教授)
齋藤 亜矢(京都造形芸術大学文明哲学研究所・准教授)
研究協力者
上田 祥行(京都大学こころの未来研究センター・特定講師)
山﨑 由美子(理化学研究所生命機能科学研究センター・副チームリーダー)

研究目的

「生物が自ら環境を変化させ、その変化が次の世代以降の進化に影響する」というニッチ構築の視点で文明形成を考えるという基本構想のもと、本班代表者の入來らが提唱してきた、環境-認知-脳の相互作用に基づく『三元ニッチ構築モデル』を理論的基盤として、この人間進化の脳神経生物メカニズムの駆動原理を探求することを目的とする。本班ではこれを以下4つの要素・座標軸に還元して、相互に関連づけながら、その全体像を追求する体制を構築する。すなわち、この駆動原理は、1)基本的には霊長類としての人間(ヒト)の脳の生物学的特性に依拠していると想定(代表:入來グループが担当)し、2)それが身体を介して周囲の環境と認知脳神経科学的な相互作用をとおして機能発現(分担:川畑グループ)して、3)発達・進化・歴史の時間軸に沿って自らの行動をとおして発展しながら(分担:齋藤グループ)、4)現生人類・現代文明の空間的な世界地図状構造を発現している(分担:齋木グループ)ものという仮説をたてる。

これらの各要素を橋渡しする媒介物として、人間が創り利用する各種の道具があり、それを使い、あるいは環境中に埋め込んで、様々な外部構造が実体化されるとする立場から、これらの物質的構造物や人工物をヒトがどう認知するかという基本概念を底流に置く。そして、その制作・使用・経験を通して心、脳、身体がどのように変化するか、という相互関係を実証的に捉えるための調査・実験を、A01〜A03班およびB01・B03班と協働しつつ計画実施し、身体を介した物質環境と心・精神との相互浸潤ダイナミクスの駆動力を担う、人間メカニズムの駆動原理を探求することを目的として、上記4つの研究サブ・グループの有機的な連携によって統合的研究を推進する。そして、これらの班内外の有機的な結合によって得られたデータをC01モデル班と協働して、遺伝情報-神経情報-社会情報-文化情報に亘る、総合科学的な数理理論を創造して、これまで豊富だが分散的な知識の集合体であった当該分野に、三元ニッチ構築モデルを基盤とした新たな視点からの総合科学的な学問体系を確立することを目指す。

三元ニッチ構築モデル